誰かが亡くなった場合、その人が所有していた財産は配偶者や子供などに受け継がれます。このことで家族親戚同士でトラブルになり、文字通り骨肉の争いになるようなことはよく耳にします。遺産相続でトラブルになり家庭裁判所に相談される数は年々増えており、一説には全体の3割から4割で何らかのトラブルが起こっていると言われています。財産をそれなりに持っている人は死後のことを考えて事前に対策を考えているのですが、比較的少ない人はあまり深刻に考えず放置してしまうという傾向があり、財産が5千万円以下のトラブルの数が圧倒的に多くなっています。
相続は法律に則っておこなわれるべきものですが、その法律自体なかなか理解することが難しく、さらに当事者同士では感情的になってしまい冷静な話し合いができなくなります。このようなことを避けるためにも生前から弁護士に相談し、安心して老後を送ることが望まれます。弁護士は法律行為全般をおこなえますし、それ以外のことも独自のネットワークで対応してくれます。具体的な生前対策の手続きとして、死後の事務手続きがあります。
死亡届の提出、葬儀の手配、年金の手続き、生命保険や公共料金などの解約、遺品整理を事前に依頼しておくのです。また自分が認知症になったり事故や病気で正常な判断ができなくなったときのために、後見人になってもらうようにします。特に法律的に有効な遺言状を残すために助言をしてもらうことは重要です。相続人以外に財産を譲りたい人がいるならばその交渉手続きをしてもらいます。
生前贈与する場合はその手続きと税金対策を相談します。いざ相続となったときには、トラブルにならないよう仲介役になってもらいましょう。
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